インタビュー

(よーこママ)

絵を描く時間には、
自由になる楽しさがある

インタビューの様子1:椎名容子
よーこママにとって絵画の授業とはどのような意味があると思いますか?

昔、絵の師匠に「人は自由になるために絵を描くんだよ。」と言われた際に、初めはよく解らなかったんですけど確かに描いていると心が解放される瞬間があって、それが自由になるってことではないかと思っています。人それぞれが自分の心を解放し、表現するという「自由になる時間」は、思っている以上にその人の心に良い作用を生み出すという場面を目の当たりにしてきました。そういう時間というものは毎日の生活の中では自然には発生しない訳なので、今から体験する機会を持ち、経験することだけでも意味があると思います。私はそういった「自由になる楽しさ」を知ってもらうお手伝いができたらなと考えています。

授業を行う上で気をつけていることは何ですか?

私のクラスは子供たちが失敗しても、まず「いいんだよ。大丈夫だよ。」と全て受け入れるところから始めます。自分が受け入れられているんだと感じ、心を解放させることはストレスなく自由に表現する土台になると信じているからです。実際に心が解放されていない状況だと、本当は簡単にできることも体が強張ってできなくなってしまうことが多いので、アイスブレーキングにはたくさんの時間をかけ、皆がそれぞれ自由に表現できる準備を整えてから実際の絵画の授業に進みます。絵を描くことはあくまでもツールであって、それを使って人と人とのつながりができたり子供たちの心が耕されることを第一目的に授業を行っています。子供たちと接していると、その率直な意見が毎度毎度とても楽しくて元気がもらえますし、初めは緊張していた子がだんだんと心を開いて自由に発言、表現してくれるところを目の当たりにすると本当に嬉しくなります。

インタビューの様子2:椎名容子
幼児教育として絵画の授業を受けておくメリットは何ですか?

私は音楽とか芸術とかは人に評価されるものではないと思っていますが、小学校に上がってしまうと評価の圧力から逃げられなくなってしまうのは事実ですね。そうすると今まで楽しくできていたものが、評価という枠の中での表現しか認められず、つまらなく感じてしまうことも出てくるかもしれません。ですので、小学校に入る前に、少しでも心を解放し自由に表現することの楽しさを知っておいて欲しい。そうしたら、いつかその楽しさをまた思い出して心を耕す時間を自分で作れるようになるのではないかと思っています。

プロフィール写真:椎名容子
椎名 容子(よーこママ) しいな ようこ
こいのぼりバンド代表
代表曲の「さんぽっぽ」は各地の保育現場で歌われている。年に一度の「こいのぼり幼稚園」や「絵が苦手な人のための絵の教室」を主宰。コンサート活動やパネルシアターの講師としても活躍。